歯ぎしりについて
こんにちは
たまご歯科クリニックです。
みなさんは歯ぎしりをしている自覚はありますか??
歯ぎしりとは、主に寝ている間か無意識のうちに、
強い力で歯と歯を摺り合わせて音をたてることです。
現在では、覚醒時のさまざまな動作も含めて
「歯ぎしり」と呼ばれることが多くなりました。
さらに睡眠時や覚醒時を問わず、歯を動的、
若しくは静的にすり合せたり、
噛み締めたりする非機能性咬合習癖として
ブラキシズムと称されることもあります。
ブラキシズムは、
上下の歯を臼の如くすり合わせる運動(グラインディング)、
上下の歯を静的に強く噛み合わせる動作(クレンチング)、
上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作(タッピング)などに分類されます。
また歯ぎしりは、自覚症状がない場合も多く、診断が困難とされています。
歯ぎしりの原因は主にストレスなどの精神的要因です。
それに合わせて噛み合わせの悪さなどの物理的な要因も関係しています。
精神的な要因は対人関係など何かしらのストレスや緊張で、対人関係など何らかしらのストレスがある場合や、緊張する場面に遭遇した場合に、
食いしばりをしやすくなります。
ストレスがあると、交感神経が優位になるので、口の周りの筋肉が緊張し、
食いしばる状態になりやすいのです。
逆に、ストレスを緩和するために食いしばりをしているという考え方もあります。
物理的要因は、噛み合わせが低い部分や、高い部分があると、しっかり噛む事ができずに、
脳が噛む力を強くしようと働きます。
その結果、食いしばりの力が強くなる事があります。
食いしばりによる症状は、
口の周りに起こるものから全身的なものまで様々な症状があります。
口の周りに起こる症状には以下のものなどがあります。
☆歯が割れたり欠けたりする
歯自体が強い力によって割れたり欠けたりしてしまう事や、詰め物や被せものが割れて欠けてしまう事が
あります。
特にセラミックなどの詰め物や被せものは、
縦にかかる力に弱いので、割れやすくなっています。
また、歯に持続的に力が加わる事により、
歯のエナメル質が薄い部分から欠けてくる事もあります。
・歯が擦り減る
食いしばりに加えて、歯ぎしりの癖もある場合、歯が擦り減りやすくなります。
歯のエナメル質同士がぶつかり合うと、お互いに削れを起こし、擦り減ってきます。
・歯がグラグラとする
歯を支えている骨に負荷がかかるため、歯がグラグラと動揺するようになる事があります。
他に歯周病などの問題が無ければ、食いしばりが改善すれば、治まってきます。
・歯が移動する
持続的に、歯に強い力が加わり続けると、歯の移動を起こしてしまう事があります。
縦方向に力が加わり続ける事で、歯の圧下が起こり、歯ぐきの中にのめり込む状態になります。
奥歯が圧下すると、噛み合わせがズレ、前歯が前方に開く状態になり、噛み合わせが悪くなる事があります。
・骨隆起ができる
顎の骨に力が加わり、骨にこぶのような骨隆起ができる事があります。
骨隆起があってもお口の中で悪さをするわけではありません。
多くは放っておきますが、入れ歯や発音に影響がある場合には、切除する事があります。
・知覚過敏が起きる
歯が割れたり欠けたりした事によって、象牙質が露出すると、虫歯が無くても、冷たいものがしみるなど、知覚過敏を起こす事があます。
・歯髄炎が起きる
過度な力がかかることにより、歯に神経(歯髄)に炎症が起きる事があります。歯髄炎が起きると、歯に強い痛みを感じるようになります。
・歯周病が悪化する
歯周病がある場合は、過度な力が加わる事により、症状が悪化する事があります。
・顎関節症になる
顎関節症の原因は様々なものがありますが、食いしばりは顎関節症に要因の1つになります。
食いしばりにより顎に強い負担がかかってしまうと、顎の関節にある軟骨(関節円板)がずれ、変形するなどして、顎関節症になる事があります。
・口腔乾燥症が起こる
食いしばりの影響で、顎関節症が起きると、顎がずれる事があり、唾液腺を圧迫する事あります。唾液の分泌が減少し、口腔乾燥症が起こる事があります。
・虫歯ができる
食いしばりで歯に力が加わると、歯にヒビが入ったり、割れたりする事があります。
歯に入ったヒビから、虫歯菌が侵入し、そこから虫歯が始まってしまう事があります。
全身的な症状では、頭痛、首や肩のこりなどがあります。
食いしばりは、側頭筋や咬筋など、様々な筋肉の緊張が起こります。
お口の周りの筋肉は、首や肩に繋がっているものが多く、首や肩のこりを引き起こす事があります。
・表情筋への影響
食いしばりにより、口の周りの筋肉が緊張して固まり、表情筋に影響を及ぼす事があります。
ほうれい線が目立つようになるなど、見た目への影響もあります。
また、食いしばりにより顔の周りの筋肉が発達しすぎてしまい、顔が大きく見える場合もあります。
食いしばりは前文で述べたように様々な要因が重なって起こります。
なので「これをしたら必ず治る」という治療法はありません。
ですが症状を緩和させる方法はいくつかあるのでまた次の機会にお話しさせて頂きますね!
【監修】 歯科医師 中野真伍
2014年3月
大阪歯科大学卒業
2015年4月
大阪歯科大学付属病院にて研修
2016年4月
大阪市内の歯科医院にて研修
2021年4月
医療法人正歯会たまご歯科クリニックにて院長として就任
現在に至る