口腔乾燥症の原因の一つ シェーグレン症候群について
- 2024年3月26日
- その他
唾液が出にくく、お口の中が乾燥した状態になる口腔乾燥症には、様々な原因が考えられますが、今回はその中でも、自己免疫疾患(膠原病)であるシェーグレン症候群について、ご説明します。
シェーグレン症候群は、免疫のバランスが崩れることにより、涙腺や唾液腺をはじめとする自分自身の臓器にダメージが起こる病気です。どのような原因で免疫の力が過剰にはたらいて涙腺や唾液腺を攻撃するのかはっきりとは分かっていません。
シェーグレン症候群を発症すると、もっとも多く見られる症状が目や口の乾燥です。これは涙腺や唾液腺がリンパ球という血液細胞に攻撃を受けることで機能が低下し、涙や唾液の分泌が減少するためです。その結果、目の痛みや充血、口臭、虫歯、歯周病などさまざまな症状を引き起こします。
様々な乾燥症状が特徴で、目が乾く、口が渇く、鼻が乾く、肌がカサカサするなどが上げられます。
その中でも、お口が乾燥することで、様々な不快な現象が起こります。
★舌の動きが滑らかではなくなり唾液が少ないため喋りにくくなります
★食べたりしていない状態でも舌がヒリヒリする事があります。
★虫歯、歯周病になりやすくなります
★乾燥しやすい物を食べると、お口の中が痛んだり飲み込みにくくなったりします
★唾液腺(唾液を作る器官)が腫れたり痛くなったりすることがあります
★舌が白くなります
★口内炎ができやすくなることがあります
この症状は常にあるわけではなく、調子の良い時と悪い時の波があることが多いです。
唾液を出しやすくするために、梅干しのように酸味のある食べ物を摂取するのは有効なのですが、酸は歯を溶かしてしまうので虫歯のようになりやすく、注意が必要です。
ガムを噛むことも、唾液の分泌につながりますのでガムであれば、
キシリトール100%のものがおすすめです😊
また、お口が乾くので水分を良く取る必要が有りますが、こちらも糖分の入ったものであれべば、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいますので、お水やお茶を飲むようにしましょう。
持病でお水の量の制限がある方などは、うがいをまめにすることやお口にみずを含ませるだけでも多少の効果はありますので、回数を増やしてやってみてください
唾液腺のマッサージも、多少の効果があります(^-^)
唾液が極端に出にくい場合は、内服のお薬がありますが、そちらは専門科(リウマチ外来や膠原病外来)で処方してもらいます(*’ω’*)
しかし、根本的に治してくれる薬はなく、対症療法をしていくことになります。例えば、人工の唾液を使うというのもひと
歯科医院で処
市販でもジェルやスプレー式のものが手に入りますので、いろいろと味を試してみると良いかもしれません
さて、ここが一番大切ですが、虫歯や歯周病のリスクが高いので、定期的な歯科の受診をおすすめします。歯石や歯垢は早期に除去し、お口の環境を整えて上げると良いと思います。
もし虫歯があったら、早期に発見出来たほうが回数もかからず治療が完了します。
歯科医院の受診の場合は、シェーグレン症候群である旨をおっしゃってください。ステロイドなどの内服がある場合も、申告が必要です。
シェーグレン症候群は、乾燥症状だけでなく、怠い、発熱、皮膚の症状や神経痛など、予測が困難な様々な症状が出現します。どれも生活の質を損なう、辛いものです。お口の環境を整えることで、ひとつでも楽になることがあり、虫歯や歯周病を悪化させる病気の一つになりますので、是非定期的な検診を続けてお口の環境を悪化させないようにしていきましょう。
- 門林
【監修】 歯科医師 中野真伍 2014年3月 大阪歯科大学卒業 2015年4月 大阪歯科大学付属病院にて研修 2016年4月 大阪市内の歯科医院にて研修 2021年4月 医療法人正歯会たまご歯科クリニックにて院長として就任 現在に至る